おしぼりAIプロジェクトは、
AI技術の活用により、レンタルおしぼり事業における「原価適正化」と
「対顧客コミュニケーションの質的向上」実現を目指しています。
おしぼりAIとは
おしぼり回収箱を上から撮影することで、その中にあるおしぼりの枚数を機械学習モデルによってカウントします。
既存の問題と、おしぼりAIによる課題解決の仮説
おしぼりAIの活用により、レンタルおしぼり事業における原価適正化=「作りすぎ・積み込みすぎ・運びすぎの無駄を省くこと」と対顧客コミュニケーションの課題解決を目指しています。
既存の問題とその背景
おしぼりAIによる課題解決
既存の問題:
おしぼり回収数が測定できないことに起因する原価高騰
- おしぼりの所在が正確に把握できないため、新規製造=材料投入が増加する。(積極的な回収活動や緻密な生産計画策定ができない)
- 係数が正確に把握できていないため、在庫や配送数など顧客と適切なコミュニケーションを行う下地がない。
課題解決手法:
信頼できる回収記録の蓄積により、原価適正化と対顧客コミュニケーションの質的向上を図る
- おしぼりの所在を把握できるため、納品数の最適化や効果的な回収活動が可能に。結果的に材料費低減を図れる。
- 納品数や料金説明に関して、顧客説明のための根拠としての回収・納品記録を活用可能に。
問題の背景:
おしぼり回収数の継続的測定は、属人性などの問題で実務的に困難
- 1箱・1枚ずつカウントする方法は、量が多すぎるため、費用対効果の観点から現実的ではない。
- 水分量により重量が変わるため、重さなどによる画一的測定が不可能。
- 見た目での大まかな測定による集計結果は、属人性などの影響により、分析に耐える正確性を担保できない。
問題解決の手段:
客観的測定による回収数集計のためのAI活用
- 人による見た目の判断ではなく機械学習モデルの演算結果による枚数測定。
- 測定者の熟練度や立場に依存しない、客観的な測定が可能
※副次的な効果として、納品配送記録の電子化により、紙伝票の廃止・入力事務手間の削減などの効果も得られています。
FSX株式会社様における取り組み
レンタルおしぼり事業者であり、おしぼりAIの共同開発元であるFSX株式会社様では、
おしぼりAIを搭載した専用Appの試験運用を開始しています。
クラウドサーバを経由してAI測定や納品の結果を業務システムに連携する機能を有しています。
この体制を活用して、今後の効果測定を行ってまいります。
活動実績
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2021年11月
おしぼりAIの先行公開プロダクトとなるiOSアプリ「おしぼりAI lite」を公開しました。
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2021年9月
FSX株式会社様の配送業務全面において、おしぼりAIを搭載した内部用アプリケーションの試験運用が開始しました。
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2021年3月
第83回情報処理学会において、本件取組に関する発表を行いました。文献サイトはこちら。(外部リンク)
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2020年9月
「スマートエスイー」修了考課において2020年度最優秀賞を受賞、同修了記念シンポジウムにおいて発表を行いました。スマートエスイー公式サイトに発表資料が掲載されています。
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2020年8月
文部科学省 enPiT-Pro「スマートエスイー : スマートシステム&サービス技術の産学連携イノベーティブ人材育成」(早稲田大学他)の修了制作として、堺財経電算合同会社代表社員 堺康行が本件制作を開始しました。
お問い合わせ
導入や技術に関するご相談は堺財経電算合同会社のお問い合わせフォームまでお気軽にお問い合わせください。
また、堺財経電算合同会社ではこの事例のように、様々な産業へのIT導入と、業務・業績改善の挑戦を行っています。
他の産業分野の方で、お取組みをご検討の方もぜひお問い合わせください。
謝辞
おしぼりAIプロジェクトは、レンタルおしぼり事業者であるFSX株式会社と、
システム開発・経営コンサルティングを行う堺財経電算合同会社による共同プロジェクトです。
FSX株式会社様におかれましては、配送現場の皆様をはじめ、多大なご協力感謝いたします。
社会人教育プログラム「スマートエスイー」様におかれましては、
本件開発初頭の修了制作課程において、懇切丁寧なご指導を賜り誠に有難うございました。
関連コンテンツ
スマートエスイーコンソーシアム(2021年12月開催)にて、当社代表が修了生代表として登壇いたしました。
おしぼりAIに関する解説を含んでおりますので、ぜひご覧ください。